東京高等裁判所 昭和27年(う)1498号 判決
検察官の控訴理由は、末尾に添附する控訴趣意書と題する書面に記載するとおりである。
ところで外国人登録令は外国人の入国に関する措置を適切に実施し、かつ、外国人に対する諸般の取扱の適正を期することを目的とするものであるから、該令施行後本邦に入つた外国人はもちろん、該令の施行の際現に本邦に在留する外国人と雖も、該令に規定する所に従つて登録の申請をしなければならないわけであつて、同令第四条が同令施行後本邦に入つた外国人に対し、六〇日以内に居住地を定めた上、当該居住地の市町村長に対して右登録の申請をなすべき旨を命じているところからかんがみるときは、同令施行の際現に本邦に在留する外国人にして住居の一定していない者は、同令附則第二項に定める三〇日以内に居住地を定めた上、同じく右登録の申請をしなければならないものと解すべきである。
本邦に在留する外国人にして住居の一定していない者は、右登録の申請義務を負わないというが如き解釈は、該令の精神に反するものといわなくてはならない。しかるに原判決は住居の一定していない者は、右申請の義務がないものの如く解し、被告人に該義務違反の責任がないとして無罪の言渡をした。これ、明らかに法令の解釈を誤り、適用すべき法令を適用しなかつた違法を犯したものといわなくてはならない。
してみれば、論旨は理由あるものというべく、原判決はこの点において、とうてい破棄を免れない。